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2025年07月15日
本学 太田広人教授(生物生命学部生物生命学科)らの研究「カイコの摂食行動を調節するドーパミン受容体:養蚕・害虫防除への応用展開を目指して」が、学術専門誌「アグリバイオ(2025年7月臨時増刊号)」に掲載されました。
研究室に所属する大学院生の吉川さん(工学研究科応用微生物工学専攻博士課程3年・熊本県 玉名高校出身)と田中さん(工学研究科応用微生物工学専攻修士課程1年・熊本県 熊本北高校出身)も共著者として貢献しました。
太田教授は、カイコの摂食行動の調節にドーパミン受容体が関わっていることを突き止めました。この成果をもとに、生き物の本能である"食欲"の謎に迫ろうとしています。
絹のイメージが強いカイコですが、太田教授の「カイコの食欲のしくみ」を分子レベルで解き明かす研究は、生命科学の基礎的な理解を深めるとともに、ヒトを含む動物の食欲に共通するしくみや進化の過程に新たな視点をもたらしています。さらに、この研究で得られた知見は、高機能な人工飼料の開発や、殺虫ではなく食欲を制御する新しいタイプの農薬の創出など、カイコ産業や農業分野への応用も期待されています。
本成果は、下記の国際誌でも発表され、注目が集まっています。
Ohta, H., Mitsumasu, K., & Asaoka, K. (2024). Involvement of a silkworm D2-like dopamine receptor in the promotion of feeding and related behaviors. Behavioural Brain Research, 456, 114696. https://doi.org/10.1016/j.bbr.2023.114696
Mitsumasu, K., Yoshikawa, T., & Ohta, H. (2024). Dopamine receptors control feeding behavior in the silkworm Bombyx mori. Neuroscience Chronicle, 4(1), 27-30. https://doi.org/10.46439/Neuroscience.4.023
共著として貢献した田中さん(左)と吉川さん(右)
「アグリバイオ」(北隆館 平成29年1月創刊)は、新しい農業を巡る動きを学術・産業から社会経済までカバーし、最新のバイオテクノロジー研究・開発の現状、市場・産業の動きやアグリバイオ関連製品の開発動向などを紹介する学術専門誌です。
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