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太田教授のレビュー論文が世界的昆虫学誌に掲載：次世代農薬開発への展望を示す

2025年11月28日

本学、太田広人教授（生物生命学部生物生命学科）のレビュー論文が、世界で最も権威ある昆虫学の国際レビュー誌の一つ Advances in Insect Physiology に掲載されました（https://doi.org/10.1016/bs.aiip.2025.09.001）。本論文では、昆虫特異的な神経伝達物質であるオクトパミンおよびチラミンの受容体の農薬ターゲットとしての可能性に焦点を当て、過去10年間の研究の進展と、今後10年間の展望が体系的にまとめられています。研究室に所属する大学院生の吉川さん（工学研究科応用微生物工学専攻博士課程3年・熊本県 玉名高校出身）も共著者として貢献しました。

太田教授は、これら受容体の研究における先駆者として、10年前にも同誌にレビュー論文を発表しており（https://doi.org/10.1016/B978-0-12-417010-0.00002-1）、当時はオクトパミン・チラミン受容体の構造や機能、昆虫行動との関連性など、昆虫の神経生理学的な基礎理解に重点を置いた内容でした。

それから10年を経て、今回のレビューでは、これらの知見が農業現場での応用、特に持続可能な農業や総合的病害虫防除（IPM）の観点からどのように展開されうるかに焦点を移し、次世代農薬の創製に向けた研究の方向性を示しています。基礎から応用へと展開するこの10年の流れを踏まえ、今後の研究と技術開発の指針となる内容であり、国際的にも大きな注目を集めることが期待されます。

吉川さん

掲載論文

Hiroto Ohta, Takuma Yoshikawa, Kanako Mitsumasu
Octopamine and Tyramine Receptors as Potential Insect Pest Control Targets: A Decade of Progress and Future Directions. Advances in Insect Physiology, Available online 16 October 2025
https://authors.elsevier.com/a/1ly6mErzKThxz （12/5まで無料閲覧可）

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