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2025年03月26日
平成28年熊本地震では、家屋の倒壊や損壊等により避難した市民や、屋内滞在を恐れる市民が避難所に集中し、市内の避難者数は最大で約11万人に達しました。
また、避難所が満員で入れない方、避難所での生活を遠慮する方、余震による家屋の倒壊を恐れる方、乳幼児やペットがいる方、障がいを持つ家族がいる方など、様々な理由で車中泊を選択せざるを得ない状況が発生しました。その結果、公園、スーパーの駐車場などで寝泊まりする「車中泊避難」が広がりました。後の調査では、熊本市民の約30%が車中泊避難を経験したと推定されています。
令和6年能登半島地震においても多くの方が車中泊避難を行い、残念ながら亡くなられた方もいました。
従来、国や自治体は「車中泊避難はエコノミークラス症候群のリスクがあり、災害関連死にも繋がりかねない」と捉え、支援方針が定まっていませんでした。
しかし、大規模災害時には車中泊避難が発生し得る現状を踏まえ、令和6年6月に国は防災基本計画を修正し、それに伴い「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」を策定しました。これにより、各自治体が在宅・車中泊避難者等への支援を行うことが定められました。
令和6年9月11日(水)、本学の亜原理有准教授(情報学部情報学科)を中心に、崇城大学、熊本市、Bosai Tech株式会社が連携し、災害時の車中泊避難者支援のあり方について研究を進めるため、「災害時の車中泊避難等の課題解決に向けた研究に関する連携協定」を締結しました。
同年10月から、熊本市車中泊避難等支援検討会(5回)、熊本市車中泊避難等作成ワーキンググループ(11回)を開催し、令和6年度(2024年度)「熊本市 在宅・車中泊避難者等の支援の手引き(車中泊避難者支援版)」を取りまとめを進めています。
令和7年度も各機関との検討会やワーキンググループを継続し、熊本地震の教訓を活かしながら、大規模災害発生時に車中泊避難を余儀なくされる市民の安全を守り、助かった命を失わないため、熊本市の実状に即した車中泊避難者支援の方法を検討・実施してまいります。
第5回熊本市車中泊避難等支援検討会風景
BosaiTech株式会社が崇城大学発ベンチャーに認定&特許取得
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災害時の車中泊避難支援を目指して ― 熊本で初の車中泊イベントを開催
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