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  1. 学生宛、建築家安藤忠雄氏からの返事 その2

学科ニュース

学生宛、建築家安藤忠雄氏からの返事 その2

2016年02月09日

建築家安藤忠雄氏から返事が届きました。
2014年度の1年生が書いた「安藤忠雄氏への手紙」73通への返事です。

総評として全員宛に1通、心に留まった以下3名の学生宛に届きました。

齊藤さん(熊本県宇土高校出身)
田上さん(熊本県ルーテル学院高校出身)
石橋くん(福岡県山門高校出身)

許可を得て、以下に掲載いたします。

  

  • 「安藤忠雄氏への手紙」を受けて〈総評) (平成 26年受領分〉

熱意のこもったたくさんのお手紙、有難うございました。
まだ建築の勉強を始めたばかりの学生たちの、初々しい意見や感想が新鮮でした。
建築のこと、都市のこと、環境のこと、これからまだまだ多くのことを学んでいくと思いますが、
建築の世界の門戸をくぐったばかりのこの時の思いや感性を忘れずに、
時々は振り返って自分の原点を見つめて欲しいと思います。
これからも全力で勉強して、多くのことをどん欲に吸収していって下さい。
本来なら全てのお手紙に返事を書きたいところですが、残念ながらそれは出来ません。
特に心に留まった3人の手紙にあてて、返信を書かせて頂きましたが、
これは皆さんへのメッセージであります。
一生懸命努力を重ね、次の社会を担うべく、自立した立派な若者になって欲しいと思います。

齊藤様
お手紙有難うございまレた。
なんといってもインパクトのある似顔絵が印象的でした。
若いころ、世界中の建築を見て回って、色々なことを考えました。
結局のところ、建築とは、人々が寄り添い集まり、感動を共有する場をつくる行為なのだと考えていす。
人の生活の営みと、建築は常に関わり続けます。
安全で安心な生活環境を提供するのも建築家にとって重大な義務です。
一方で、身の回りの全てのものが、建築を勉強する材料となります。
次の社会を担っていくのはあなた達の世代です。
多くを学び、未来へと役立てて下さい。
安藤忠雄

田上様
お手紙有難うございました。
優れた建築は確かに、時代の象徴となります。
1964年、前回の東京オリンピックのために、丹下健三という建築家のつくった代々木の体育館は、
その大胆な構造と圧倒的な造形美で世界中を驚かせ、日本の技術力の高さを知らしめました。
60年代、日本の国が一番元気だった時代をまさに象徴する建築でした。
私は若いときこの丹下さんの作品を見て感動し、強い影響を受けました。
建築は、雑誌で写真を見るだけでは解りません。
実際に行って、空間体験を通して初めてその魅力を理解することが出来るのだと思います。
出来るだけたくさんの建築を体験して、自分の糧にして下さい。
安藤忠雄

石橋様
お手紙有難うございました。
何事においても、失敗を恐れず、挑戦し続けることが重要だと思います。
私自身、何歳になっても、常に挑戦する勇気を持ち続けようと考えています。
これからまだまだ多くのことを学んでいくことになると思いますが、
なにより大切なことは、「好奇心」を持ち続けることです。
それはあらゆることにチャレンジする力の源になります。
建築の世界で仕事をしていくためには、たくさんの知識が必要になりますが、
今の気持ちを忘れずに、ぜひ努力を続けて下さい。
安藤忠雄




「安藤忠雄氏への手紙」は、教養講座Ⅱにおいて、専門導入教育の一つとして実施しました。
この講義の目的は、建築家安藤忠雄氏を通して、建築、建築家を知ることです。
安藤忠雄氏の建築を映像で、考え方を著書「15歳の寺子屋・境界をこえる」で、学ぶという内容です。
熊本県立装飾古墳館やJR熊本駅(未完成)の見学も促し、その成果として、安藤忠雄氏へ手紙を書きました。
書籍は、大学のグループ企業㈱秀拓の多良木社長から学生に1冊づつのご寄付を頂きました。
安藤忠雄さまには、本当に本当にお忙しい中、ご対応頂きまして感謝いたします。
また、ご担当頂いた安藤忠雄建築研究所のスタッフの方々に感謝いたします。

(西郷正浩)
    
   
◆その1◆ (昨年の記事)
http://www.sojo-u.ac.jp/faculty/department/architecture/news/140623_005506.html

◆「熊本県立装飾古墳館」 見学の様子◆
http://www.sojo-u.ac.jp/faculty/department/architecture/news/130610_004955.html