卒業後の進路
日常的な作品制作や調査・研究を通して培った観察力・洞察力、物事に向き合う姿勢を社会の中で生かしていきます。 作家や研究者をはじめ美術教員・学芸員、或いはデザイン関係や企画立案に携わる仕事など多岐に及びます。
活躍する卒業生
株式会社さわの道玄
製作部
河津さん
2024年卒/熊本県・第二高校出身
大学で磨いた日本画の技術で文化財を修復し、守る
幼い頃から絵を描くのが大好きで、高校でも美術を幅広く学んだ河津さん。中でも日本画に惹かれ、専門的に学べる美術学科日本画コースへ進んだ。「4年間で、日本画や画材に関する基礎的な知識や技術はもちろんのこと、作品を仕上げるために何が必要で、どう進めるべきかなど、制作力も身につけることができました」と、その充実した日々を振り返る河津さん。そんな彼女が就職先として志望したのが「さわの道玄」だ。京都にある同社は、全国各地の歴史的な建造物や装飾の修復を請け負っている。貴重な文化財や国宝に触れる機会も多い。「彩色を担当しているのですが、使う画材や技法は日本画とほとんど同じなため、大学で身に付けたスキルや経験が生きています」と、大学での学びを仕事にできている喜びを語る。とはいえ、平面の絵と彫刻との違いや、彩色だけでなく対象物の状態や歴史背景の調査など、取り組むべき工程も多く、勉強の日々だ。それでも「劣化などで損傷した文化財が、自分の彩色によってかつての美しさを取り戻していくのは、達成感があります」と、やりがいを語ってくれた。
熊本市立中学校
地方公務員(美術教諭)
川上さん
2021年卒業 熊本県/第二高校出身
生徒達の心を豊かに育てられる美術教諭に
熊本市立中学校で美術教諭として働く川上さん。「中学時代、美術部での先生との交流が、私の人生を変えた」と、自身を美術の道へと導いてくれたきっかけをを語る。そして今は、その先生の立場で生徒達と向き合っている。中学・高校と美術の制作活動に没頭し、地元・熊本で美術を学びたいと崇城大学へ入学した川上さん。特に、初めて触れた日本画に惹かれた。「彫刻やデザイン、工芸など、専門以外のことも幅広く学べる環境でした」。さらに、3年次には海外研修制度を利用して、スリランカで現地の子ども達と一緒に展覧会を開く交流事業にも携わった。このような幅広い経験を語ると生徒達も興味津々で聞いてくれる。今、教諭として自分に深みを与えてくれていると実感している。「美術は生徒達の感性を育て、心を豊かにできる教科。その喜びをどう伝えるかが、使命だと感じています」と川上さん。生徒の人生にも関わる教諭という立場。生徒一人ひとりと向き合い、愛情を持って生徒の可能性を伸ばしていきたいと、温かな目で語ってくれた。
株式会社カラー
動画班 アニメーター
牛島さん
2023年卒業/熊本県勇志国際高校出身
憧れの作品を作った会社でアニメーターとしての第一歩
中学生の頃から「エヴァンゲリオン」シリーズなどのアニメを見て育ち、アニメ業界の仕事に興味を持っていた牛島さん。大学時代に観た「シン・エヴァンゲリオン劇場版」に感動し、アニメーターを志すようになった。そんな折、同映画を制作した会社「株式会社カラー」でアニメーターを募集していることを知り、応募。同社では数年ぶりの募集だったという。憧れの会社で、アニメーターとして歩み始めた。現在は、アニメの、原画と原画の間の絵である「中割」を担当している。毎日原画を見て勉強できたり、業界の先輩や作画監督、原画担当者とすぐに話ができたりする恵まれた環境の中で、「理想のアニメーション」を追究する日々だ。「思い出すのは、大学生時代に恩師から言われていた『明日が命日でも後悔のない作品を作ること』という言葉です」と牛島さん。さらに、デッサン力を通して本質を見抜く力を磨けたことも、大いに生きていると感じている。いつか、原画を担当できる日を夢見て、アニメーターとして着実に歩みを進めている。