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亜原理有教授がIEEE-ICEIB2026でベストペーパー賞を受賞 ー「くまもとモデル」に基づく車中泊避難支援研究ー
2026年05月15日
2026年4月25日(日)、台湾・台北で開催された国際会議 IEEE-ICEIB2026 において、亜原理有教授(情報学部 情報学科)が発表した論文「A Hybrid Self-Managed and Digitally Assisted Framework for Vehicle-Based Disaster Evacuation Based on the Kumamoto Model」が高く評価され、「Best Conference Paper Award」を受賞しました。
本論文では、災害時に避難所への避難が困難な場合や、避難所の収容能力に限界がある場合に発生する車中泊避難者を支援するための新たな枠組みとして、「くまもとモデル」を提案しました。これは、車中泊避難者が自ら情報登録や状況共有を行う仕組みと、行政・消防・民間事業者等による支援体制を組み合わせたハイブリッド型の災害対応モデルです。
また本研究では、災害時の通信環境が不安定な状況でも利用しやすい軽量なデジタル支援手法を取り入れ、避難者の所在や健康状態、支援ニーズを把握することで、分散型避難における状況認識の向上と要支援者への迅速な対応を目指しています。さらに、平時からの地域防災訓練や市民への周知を組み合わせ、災害発生時に避難者自身が適切に判断し行動できる仕組みづくりを重視しています。
発表論文では、従来の紙ベースによる避難受付・管理方法と、デジタル技術を活用した支援方法を比較する実証的な評価も行われました。その結果、デジタル支援の導入により、手順の分かりやすさ、運用の透明性、参加者の自律性、安心感の向上につながることが示されました。
今回の受賞は、熊本地震の経験を踏まえた地域課題への取り組みを、デジタル技術と社会実装の観点から体系化し、国際的に発信した成果が評価されたものです。
本研究で提案した「くまもとモデル」は、日本初となる車中泊避難者支援の具体的な枠組みとして、今後のスマート防災、自治体の災害対応、地域レジリエンス向上への貢献が期待されています。今後も研究成果を地域の防災訓練や実際の災害対応に活用しながら、車中泊避難者の安全確保と健康維持を支援する実践的な仕組みづくりを進めていきます。

発表風景

受賞の様子
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