卒業後の進路

熊本で納豆、豆腐、こんにゃくなど「元気と健康」につながる食品を作り続ける「マルキン食品」。創業105年の、熊本を代表する食品メーカーだ。ここで活躍する5人の卒業生。現在の役割こそ違えど、「生物・微生物が好き」で崇城大学に入学し、同社を志した点は共通している。営業職の方波見さん(写真右2番目)は、「熊本での知名度が高い食品会社で、研究室の先輩も多かった」と志望理由を語る。「おいしい・安全だけでなく"健康"がこれから求められると強く感じた」と語る月俣さん(写真左2番目)は、工場長として製造に携わる。大学で研究した納豆菌を含む枯葉菌を研究した上野さん(写真右)は、納豆の品質管理や研究開発を長年担当したのち、その経験を生かして広報職になった。応用生命科学専攻卒の坂本さん(写真中央)は、大学で学んだ化学知識全般を生かし、納豆製造を経て商品開発に関わる。そして、今年入社の中原さん(写真左)は、事務職ながら食品製造の流れを理解していることに強みを感じているという。これから一層「健康」が求められる食品業界において、微生物を知り尽くしたOB・OGの活躍の幅は広い。

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熊本県唯一の大学病院「熊本大学病院」。ここに“なくてはならない存在”として活躍する崇城大のOB・OG達がいる。彼らはスタッフとして院内に常駐し、手術器械の洗浄・滅菌業務を専門に行っているのだ。「病院の道具は清潔は当たり前。ミスは許されず責任は大きい」と古賀さん。「チーム医療の一員としての連帯感もある」と河島さんはやりがいを語る。大学の研究室で実験時に滅菌作業を教え込まれたことが役立っているそうで、「先輩達の活躍のおかげで、崇城大生は社内で信頼してもらえる」と、松嶌さんは先人が開いた道に感謝している。高度な医療レベルを支えるため、確実な仕事が求められるこの現場。「医療資格はないけれど、顧客でありパートナーでもある医師や看護師と協働し、ときには頼られる。こんな医療の仕事もあるんです」と上戸さんは語気を強めた。

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私は製薬会社のMR（医薬情報担当者）として働いています。就職活動開始時は幅広い分野の会社を候補にしていましたが、活動を続ける中で「医薬品」に興味があると気づきました。中でも、人と関わる機会の多いMRに魅力を感じて、製薬会社を目指しました。
現在は、病院・薬局などへの営業が主な仕事です。「鳥居薬品」のMRはエリア担当制で、1人ひとりがエリア内の施設全てを受け持つため、1日10人以上の医師に面会しています。さらに時間があれば薬局を巡り、当社薬品の反応など生の声を伺い、「人の話をよく聞く」ことを大事に働いています。医療従事者は毎日人の命と健康に関わっており、MRも提供する情報に間違いがあっては許されません。責任は大きいですがやりがいも大きく、医師から「この薬のお陰で患者さんの症状が軽くなっている、喜んでいる」と聞いたときは嬉しい気持ちになります。
応用生命科学科では生物や化学、さらに医療に関係する知識を得ていたので、MR認定試験にとても役立ちました。また、医師との面会でも生命科学の分野に興味を持っていただけることが多く、学生時代の実験の話で盛り上がるなど、大学での経験が今の自分につながっていると実感する日々です。これからは、担当する地域特性の理解を一層深め、製品だけでなくエリアの情報提供もできる人材でありたいです。

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私が勤務するクインタイルズは、製薬企業に対して医薬品の開発や営業を総合的に支援する会社です。学生時代から、新薬の開発や医療に関わる仕事がしたかったこと、世界規模の会社で活躍できる機会があることに惹かれて入社しました。
現在は医薬品の臨床試験を行う部署にいます。治験に協力していただく被験者登録の促進、症例報告書の回収、カルテとの照合など治験モニタリングが主な業務です。病院への説明会に出向くことも多く、大学時代にプレゼン力を磨いた経験が生きています。また、学科で学んだ薬剤・生態に関する基本的な知識と考え方が、疾患を勉強する際に役立っています。
薬剤の内容や疾患についてドクターと話をすることができ、医療業界の最先端に関わっていると実感する日々です。特に、自分が関わった医薬品が国の承認を得て治療で使われることになった時は感無量です。有効性・安全性の判定が難しく長年かかる試験も多いので、医療機関の方からの励ましの言葉は力になります。まだまだ半人前なので、まずは一人前になれるようスキルアップを図っていきます。

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人工皮膚や人工角膜への応用を目指す新しい医療用素材の研究を行っています。実用化のあかつきには、大火傷の跡を残さずキレイに治したり、失明寸前で角膜移植！なんてことも可能に…その日を夢みながら、大学の医学部の研究者と議論し、クリーンルームで何度もサンプルを製作。失敗してもへこたれず、試行錯誤を重ねつつ着実に前へ。学生時代も今も、あきらめなければ必ず、届きたい場所にたどりつけると信じて、がんばっています。

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医薬品の適正な使用と普及を図るために、自社の医薬品を中心とした医薬情報を医療関係者に提供しています。ファブリー病、ポンペ病などの稀少疾患を中心に情報をお届けする中で、1人でも多くの患者さんが、1日でも早く診断・治療を受けられる体制作りに貢献していきたいと考えています。大学は私に「自ら学ぶこと」を教えてくれたありがたい場所でした。今後も自ら学ぶ姿勢を忘れずにいたいと思います。

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市販向け医薬品や栄養補助食品などの分野で業界を牽引する「小林製薬」。同社の営業部門で2名しかいない「医薬品・食品カテゴリー戦略担当」として活躍するのが志手さんだ。彼の仕事は、商品開発部門とそれを薬局やスーパーに売る営業部隊をつなぐ役割。商品の特長を理解し、販売される店舗の立地や客層に合わせた商品展開を考えて営業部隊に提案するため、全国を飛び回る日々だ。「営業部門には文系出身者も多いのですが、私には大学で学んだライフサイエンスや化学の基礎力がある。商品理解が求められる今の業務において大きな力です」。そして、同社は社長ですら「さん付け」で呼ぶほど、風通し良くフランクな社風。その中でこそ、崇城大仕込みのコミュニケーション力が生かされていると実感するそう。在学中からの念願だったという製薬業界で、これまで培った力の全てを注ぎ込んでいる。

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