卒業後の進路
デザインの基礎技術と構想力を身につけることで、広告・出版・印刷等企業の制作部門やデザインプロダクション、各種メーカーや建築系企業の企画・デザイン部門など、進路は多岐にわたります。大学院に進み、研究を続ける学生も少なくありません。
活躍する卒業生
株式会社C2C
代表取締役社長
山田さん
2003年卒/福岡県・門司高校出身
クリエイターの熱意や情熱を引き出し生かすアニメ制作を
東京を拠点に、2024年4月には熊本スタジオも開設した「C2C」。アニメーションの企画・制作を主軸にTVアニメ・遊技機などのアニメーションの映像制作を専門にする企業だ。ここで代表取締役社長を務める山田さんは、実は崇城大学芸術学部1期生。アニメーターを夢見て、九州内に芸術学部ができるとの朗報に入学を決めたという。卒業後は念願のアニメ業界へと就職。制作スケジュールの調整や管理業務に適性を見出し、現在、約80名のスタッフを抱える「C2C」の代表を務めるに至る。「アニメ制作は、1話ごとに100人近く、シリーズで1000人以上のスタッフが関わる上に、作品のクオリティに直結するクリエイティブな判断や作業も行わなければならないので、正直、制作中の大半は大変です。でも、納品後には達成感があり、クリエイターやクライアントから良い反応をもらえると報われます」と山田さん。今の目標は、自社オリジナルアニメを制作すること。「自身が子どもの頃にアニメを見て憧れたように、私達のアニメを見てアニメ業界を志す子ども達が増えてくれると、幸せですね」。
アサヒシューズ株式会社
商品開発部・商品デザイン課
大山さん
2023年卒/鹿児島県・鹿児島実業高校出身
奥深きシューズの世界 思いを込めたデザインを
クラフトマンシップが息づく街・福岡県久留米市。古き良き日本のものづくりの精神を宿した老舗のシューズメーカー「アサヒシューズ」で、デザイン学科OBの大山さんが活躍している。取材時はまだ入社2年目だったが、すでにシューズデザインを任されている商品もあるほどで、「靴というプロダクトの奥深さを学ぶ日々です」とやりがいに表情を輝かせている。デザイン学科でプロダクトデザインコースを専攻していた大山さん。文具や家具など幅広いプロダクトデザインを学ぶ中で特に靴に興味を持ち、半ば独学で学んでいたそう。「実際の靴のデザインは、ミリ単位でクオリティが変わってしまう世界。難しいことも多いですが、それが楽しいです」。規格書の作成や材料の発注、技術試験の依頼など他部署とも連携を取りながら日々試行錯誤を繰り返し、デザインの開発から生産されるまでの一連の過程を経て、商品として発売された時の達成感と喜びはひとしおだと語る大山さん。大好きな「靴」に思いを込めて、これからも様々な人々を足元から輝かせるデザインを生み出してゆく。
銀杏社
編集部
猿渡さん
2017年卒業/熊本県・東海大学付属熊本星翔高校出身
大好きなマンガを編集者として支える
自分でマンガは描けないけど、大好きなマンガに関わる仕事がしたい。そんな猿渡さんが選んだのは、マンガ編集者の道。さらに「確実にマンガの編集者になるために」と選んだのが、大手出版社や電子配信会社からの制作依頼に対し「マンガ専門」で編集や企画・デザインなどを行う銀杏社だ。「大学ではグラフィックデザインコース所属でしたが、入学した次の年から『マンガ表現コース』が始まり、その先生のゼミに入ったことで、『マンガの仕事』という夢を見つけました」と当時を振り返る。今は念願のマンガ編集者として忙しい日々。作家との距離感を図ったり、言うべき提案はしたり、発注元である出版社との調整があったりと、難しい局面は多い。それでも自分が担当した作品が実写ドラマ化するなど、マンガ以外での舞台でも輝かせられるのでやりがいは大きい。「次の目標は担当作の映画化やアニメ化」と語る猿渡さん。好きなことを仕事にできる喜びが、全身から溢れ出ていた。