卒業後の進路
情報システムは社会生活や活動の基盤になっています。情報処理技術者は、あらゆる企業・機関が必要とする人材であり、多岐にわる業種・業界から、多くの求人が集まってきます。
活躍する卒業生
東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ株式会社
東北事業所
中野さん
2024年卒/熊本県・東稜高校出身
世界中で、半導体製造現場を支えられる人材を目指す
半導体製造装置メーカーとして、世界でもトップクラスのシェアを誇るリーディングカンパニー「東京エレクトロン」。同社でエンジニアとしての活躍をスタートさせたのが、情報学科OBの中野さんだ。「実は入社まで、半導体についての知識や技術は全くなかったんですよ」と微笑む中野さん。しかし、大学でAIやIoTなどの最新技術を学ぶ中で、技術発展に必要な半導体に興味を持ち、今の職場へとつながっている。彼が担うフィールドエンジニアという仕事は、半導体製造装置の立ち上げやトラブルシューティング、メンテナンスを行う仕事。技術的な問題解決を通してお客様との言頭関係を築いていけるよう、今はまだ勉強中だ。「大学時代にSILCで身に付けた英語力を生かし、日本の技術力を世界で生かすための架け橋になりたいです。そしていつか海外駐在もしてみたいです」。
ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社
熊本テクノロジーセンター IS製品部門(取材当時)
松﨑さん
2019年卒/鹿児島県・国分高校出身
世界最先端のステージでデバイスの開発に邁進
世界シェアトップ(*)を誇るCMOSイメージセンサーをはじめ、さまざまな電子デバイスに搭載される半導体製品の量産開発・製造を担う「ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング」。開発部門で活躍するのが、卒業生の松﨑さんだ。自動車の設計開発をしていた父に憧れ、自身はデバイスの分野で開発に携わりたいと情報学科へ入学した松崎さん。その夢を世界最先端の舞台で叶えている。現在は、産業用イメージセンサーの開発を担当。試作スケジュールの調整や特性評価などを経て、各分野の専門家と協力しながら商品化をめざす全体指揮が主な役割だ。製品の特性評価・考察をする際、「大学で身に付けた電気電子関係の知識がとても役立っています」と松崎さん。半導体の開発においては、膨大なデータをまとめて分析する必要があり、情報学科での学びは、そんな場面でも強みになると実感している。半導体分野が注目される今、学生時代の学びを大いに生かしながら、世界に向けたものづくりに日々進している。*ソニー調べ
株式会社SUBARU
品質保証本部 品質企画部
是永さん
2021年卒/熊本県・熊本マリスト学園高校出身
人間と車を繋げる 情報技術のスキルを武器に
高校時代から「自動車業界、できればSUBARUに勤めたい」と望んでいた是永さん。そうなると自動車工学を学べる工学部への進学を目指しそうだが、是永さんは時代を見据え「人間と車を繋げる、情報系の力が必須だ」と情報学部から自動車業界を目指す道を選んだ。そして熱烈なSUBARU愛が奏功し、卒業後は憧れの会社へ。現在は品質企画部という部署で、車両に搭載されるナビや通機能、安全運転支援機能の機能向上用ソフトウェアの市場展開までの品質・進行管理や展開可否の判断を行う業務についている。「学科で身に付けたコンピュータの内部処理やソフトウェアのスキルがかなり役立っています」と是永さん。最近ではアメリカへと起き、現地でお客さんに届ける一歩前の状態での品質チェックにも携わった。「車が、そしてSUBARUが好きなので、好きを仕事にできているのは幸せです」と微笑む是永さん。情報技術が日々進化する現代、前例が無い業務も多いが、目的に向かって自分で筋道を描いて進めることが出来る点にやりがいを感じているという。大学時代に身に付けた「柔軟な思考を持つ力」を武器に、乗り手の安全性を極限まで叶えるシステムづくりに、今日も臨んでいる。
株式会社RKKCS
本学出身20名
独自の情報システム開発で公的サービスを支える
ソフトウェアの開発・販売・お客様への適用・サポートなどを自社で一貫して手がける「RKKCS」。1966年に熊本初の情報処理サービス企業として創業された、熊本IT企業の先駆的な存在だ。地方自治体や金融機関向けのパッケージシステムを、開発から販売、サポートまで一貫して行っており、全国的なシェアを誇る。ここで活躍する、同じ2023年卒業生の3人「熊本の情報系企業として憧れだった」と志望したそうだが、3人とも大学で初めてプログラミングに触れたという。健康管理システム開発を手掛ける森田さんは、「大学で身に付けたプログラミングの考え方が、システムの実装方法の考案に役立っています」と語る。生活保護に関わるシステム開発を手掛ける井村さんは「その上で、周りと協力して1つのものを作り上げる力を大学時代に組み上げられたのが大きい」と付け加える。介護のシステム開発担当の松原さんは、「自分の場合は介護保険の知識など、プログラム以外の知識を身に付ける必要があります。規模が大きい作業の場合は責任も重いですが、それ以上にやり遂げたときの達成感が大きいです」と熱く語る。公的サービスがオンラインに切り替わりつつある今の時代、情報処理の力が人々の暮らしを守る礎になっている。
金剛株式会社
本学出身23名
人と文化が集う場で生きる様々なものづくり
宇宙航空システム工学科、機械工学科、建築学科、情報学科。これら4分野の卒業生が活躍する企業がある。熊本県の嘉島町にある「金剛」。図書館などにある「丸ハンドル式移動棚」の製造開発で全国トップシェアを誇り、図書館や博物館などの移動棚・書架から、文化財収蔵庫の設計・施工まで、文化と人が集まる空間づくりも手がける会社だ。もっとも社歴の長い伊東さんは、宇宙航空システム工学科卒。客先へ提案図面を作成、説明する際、材料力学や物理の知識が今でも役立っている。建築学科卒の中津さんは、同社の地震対策に興味をもって入社。構造力学で学んだ計算を活かして働きながら、今は一級建築士取得も目指す。「当社のユニークなものづくりが魅力だった」という機械工学科卒の松尾さんは、OEM製品の設計開発に力を遺憾なく発揮。そして情報学科卒の寺本さんは、ソフト・ハード両方の知識を活かして、自動書庫などのシステム関連の保守に携わっている。崇城で磨いた様々な技術を集結して。ひとつの大きなものづくりに関わっている。
九州旅客鉄道株式会社
本学出身24名
車両を安全に走らせる その大きな責任
新幹線から在来線、個性豊かな観光列車まで、九州各地で様々な鉄道を走らせる「九州旅客鉄道株式会社」。重要なインフラとして大きな役割を果たす同社で、卒業生が各々の立場で活躍している。子どもの頃から列車の運転士が夢だった藤吉さん(写真左)。情報学科で運転士資格に必要な電気の知識を身に付け、見事その夢を叶えた。今は在来線で運転士として活躍している。「毎日、無事に運行できることに一番の達成感を感じる」という藤吉さん。安全運航に徹しながらも、今後、新幹線運転士を目指すか、運転業務以外の分野にも挑戦するか、新たな目標を見据えている。機械工学科卒の園田さん(写真右)もまた、列車が身近な環境で生まれ育ち、「機会を扱える立派な人材になりたい」との夢を叶えた一人だ。現在は車両のメンテナンスの作業計画作成や不具合・故障への対応などを行る業務に付いている。「大学で身に付けた機械工学の幅広い知識や製図の力が業務に直結している。今後は、もっと車両の品質管理にかかわる仕事も担当したい」と、さらなる目標へと走り始めている。それぞれの夢を崇城で膨らませ、叶えた2人。自分が望む仕事を手にしてなお、さらなるキャリアアップへの歩みを進めている。
九州電力
長崎支社 通信運営グループ
西さん
2018年卒業/熊本県・真和高校出身
「空からの眼」でインフラの安全を守る。
「電力会社といえば、電力供給にトラブルがあったときに、現場に真っ先に駆けつけて、復旧に携わるイメージ。そんなインフラを支える仕事がしたかった」と語るのは、九州電力に勤める西さん。そんな彼女の仕事の相棒はドローンだ。「山の中には多くの送電塔があり、鳥の巣やサビなど常にトラブルにさらされています。ドローンで撮影してチェックするのが、仕事の一つです」。山間部が多い大分県。人が一本一本上ってチェックするよりも、はるかに早く安全で確実だ。大学時代にドローン操縦の経験はなかったそうだが、通信無線の知識や経験、PCスキルなど、今の現場で生かせる力は多いと西さんは胸を張る。さらに、各地で老朽化した発電機器の工事発注も業務の1つ。時にはデスクで、時には山野を巡りながら「電気が安全に流れる当たり前」を縁の下で支える、重要な仕事に携わっている。