卒業後の進路

病気の時に服用する医薬品の中で、効果を示す有効成分はわずか1割程度しか含まれていない。「エーピーアイコーポレーション」は、その有効成分、医薬原薬・中間体を製造する受託メーカーだ。ラボスケールで開発・検討した原薬を、商用生産・大量製造まで一貫して行う同社で、そのスケールアップ製造の業務に従事しているのが米村さんだ。「研究室で多くの装置や器具を使用してきた知識や、研究での検討の経験が、今の業務に直結している」と、大学で培った力を存分に生かしている。鴨川さんは、医薬品製造における設備の設計や、製造単価の見積、自社製品の製造効率化や改良法の検討など、製造を円滑に回す役割。「大学院時代に学んだ『化学』の知識と、入社後に勉強した『設備』の知識を双方を活かしている」とやりがいを語る。最年長で管理業務に就く三木さんは「大学時代、地道な実験を繰り返し手法を考えて信頼性の高い基礎研究へと尽力した経験が、高い技術と品質管理基準を求められる当社で生かされる」と振り返る。大学で育んだ化学とものづくりの基礎力が、世界の人々のヘルスケアへ大きく貢献している。

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明治十一年に馬具商から始まったルーツを持つ「野田市グループ」の中で、インフラ整備から環境、IT、人材まで、時代に応じて事業を展開してきた「野田市電子」。中でも「環境分析事業部」は、土壌や水、作業環境などを測定・分析し精度の高いデータを出すことで、よりよい環境作りへとつなげる社会貢献性の高い事業だ。ここでは「化学」を武器に、卒業生が活躍している。現場で作業環境や騒音振動、土壌環境などを測る「測定課」の橋本さんは、「在学中に化学の専門知識を身に付けられたことが強みになっている」と、今は環境計量士の資格を目指して勉強中。堂ノ下さん・髙原さん・佐藤さんが所属する「分析課」は飲料水や排水などの水質分析を行う。堂ノ下さんは、大学で習得した分析のスキルでお客様の役に立てることに喜びを感じる日々。髙原さんは、在学中に学んだ器具・試薬の扱い方や、実験失敗の際の原因究明のプロセスが生きているという。卒研で環境化学や分析化学に取り組んだ佐藤さんは、「水や空気の安全を確かめることが、熊本の自然環境を守ることにつながる」と仕事の意義を語る。大学で身に付けた化学の力を元に、地域の環境を守り続ける。

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幼い頃からバドミントンをしていた吉竹さんが憧れていた企業が、ここ「ヨネックス」。バドミントンの世界有数企業として、プレイヤーから高い信頼を得ているメーカーだ。「ずっと『どうすればヨネックスに入れる？』と考えていて、ラケットの素材につながる勉強が面白そうだと、ナノサイエンス学科に入学したんです」と吉竹さん。担任の先生に「ヨネックスに入りたい」と相談したり、スポーツ分野に特化した先生に学んだり、就職課で手厚いサポートを受けたりと、長い時間をかけてついに叶った、憧れの会社への就職だった。営業部で3年間の勤務を経て、念願の開発部へ異動した吉竹さん。現在はバドミントンのシューズ開発を担当している。自身が初めてデザインを担当した商品を手に、「シューズはデザイン・人間工学・そして化学と、さまざまな知見を融合させて開発します。中でも素材はシューズの性能に直結する要素。工場の研究員と、化学用語を交わし合うような場面も今後あるかもしれません」と目を輝かせる。化学の力でバドミントンに関われる喜びを語ってくれた。

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九州各地で上下水道・し尿処理・焼却など環境施設の維持管理を行う同社。崇城大OB・OGも多く在籍し、「入社説明会で先輩に会い話が盛り上がった」（芥川さん）と、皆、頼もしく感じたようだ。「学科では化学を中心に学んだけれど、機械や電気にも興味があり、他分野を学んだ人と働きたかったのが入社の志望理由」と假屋さんが語る通り、多分野のプロが在籍する。その中でも、大学で得た「化学力」が礎となっているという。「上下水道の維持管理では、水質の分析基準項目が51種類もある。大学で学んだ項目が多く入っていて、施設点検時にとても役立っています」と日髙さん。下水施設の現場に立つ一瀬さんも、大学で得た知識を生かして時には維持管理業務のヘルプも行うなど、多方面で活躍。崇城大の卒業生が、それぞれの現場で、九州の美しい環境をしっかりと守っている。

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現在は救急絆創膏の代名詞カットバンの改良を行っています。素材の選択及び粘着剤の配合検討を行い、ユーザーである患者様へより良い品質の医療機器をご提供できるよう製品開発をしています。在学中の卒業研究で、自由に考え実験ができたことで、考察力と表現力を身につけることができました。この経験が、現在行っている医療機器の開発に十分に役立っていると感じています。

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当社は健康食品の販売を行っています。私は電話回線の管理業務に携わっています。多様なお客様情報の整理や、その情報を論理的に組み立てる必要があり、それらの能力は学生時代の発表やレポート作成の経験が役に立っています。特に、毎週の研究室報告会ではコミュニケーション力がつきました。それが今の仕事に活かせており、社内表彰を受けたことで更にやりがいを感じています。

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大学で学んだ有機合成の知識を活かして研究職に就きたいと思い、「大阪有機化学工業」を志望しました。現在は化粧品やコーティング材、自動車部品などに使われる機能性ポリマーの開発と、生産プロセスの改良を行っています。自分が開発・改良した機能性材料が商品として世の中に出たり、クライアントの商品の機能を大きく左右するようなキーマテリアルになることもあります。そんな中、自分が実験を担当していた材料がお客様からの合格評価を受け、自らの手で出荷まで送り出せると、研究者としてこの上ない喜びを感じますね。また、製品のプロセス改良を行い、時間削減やコストカットによって生産性を増加させるなど、努力によって目に見える成果を感じられるのも今の仕事の大きな魅力です。
会社では他部署や他分野のお客様とのチームで研究開発を行います。大学で先生や先輩・後輩とチームでいろんな分野の実験・研究に取り組んだ経験が、今役立っていると思います。また専門英語を使うことが多いので、英語を学びやすい本学の環境は大きなメリット。その経験を活かし、機能性材料のさらなる商品化や他分野への展開を目指したいです。

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