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崇城大学中長期計画

1 はじめに

本学は、戦後復興を支えるエンジニアを育てる単科大学から始まり、その後も時代のニーズに応えながら、約70年に渡り地域社会を支える人材を育成してきた。現在では、エンジニア(情報学科、機械工学科、ナノサイエンス学科、建築学科、宇宙航空システム専攻、生物生命学科)、クリエーター(美術学科、デザイン学科)、スペシャリスト(薬学科、航空整備学専攻、航空操縦学専攻)を輩出する総合大学となっている。しかし、その軸は建学時と変わらず、専門的能力を公共の福祉に還元する人材の育成である。

一方で、社会の変化はますます速くなり、近い将来にAIが社会インフラとして一般化したポストAI時代の到来を迎えようとしている。情報科学は人々の内面の成熟を追い越す勢いで発展し、創造活動を模造する生成AIが開発され一般公開されている。この生成AIは社会実装も驚くべき速さで進んでいる。文章生成AIGPT4や画像生成AIMidjourneyに代表される生成AIは、既存の産業構造を大きく変える可能性を持っている。

この流れは、本学がこれまで育ててきたような専門家のあり方も大きく変えることが強く予想される。過去の知識や経験はAIによって模倣が進むため、専門家は創造、共感や協働などAIが模倣困難な領域が主な仕事となっていくと思われる。そのため私達は専門家が持つべき能力を再定義し、それに合わせて既存の教育体系もアップデートしていかなければならない。

また、これからの時代はvolatility(不安定)、uncertainty(不確実)、complexity(複雑)、ambiguity(不明瞭)の頭文字を取ってVUCAの時代と呼ばれている。前出の急速な産業構造の変化に加えて、日本では少子化・高齢化により社会構造の大幅な変革を迫られており、世界規模でも地球温暖化や異常気象、国際紛争や経済対立などの大きな課題がある。これからの若者たちはこのような時代を生き抜かなければならない。

以上を踏まえて、今後6年は、ポストAI時代およびVUCAの時代における専門家教育の基盤となる、専門家のためのリベラルアーツ教育(SOJO版リベラルアーツ教育)の開発、および分野を超えた学際的な教育研究の推進を行い、また、それらの成果を地域社会に還元する。加えて、今後も社会のニーズに即した教育研究を持続的に続けるために、大学組織の基盤強化も合わせて計画する。

2 本学が目指す大学像

ポストAI時代の知の拠点を見据えて


ポストAI時代の知の拠点を見据えて、社会人に必須の基礎的・汎用的な知識・技能はもちろんのこと、変化の流れの早い時代を生き抜く力幅広い視野・普遍的教養・学際的知識・向上心・アントレプレナーシップ・レジリエンスを備えた有為な人材を、地域に、全国に、そして世界に輩出するとともに、地域社会のニーズに即して、教育研究の成果を積極的に還元する大学

3 第3期中長期計画について

3-1 教育と研究

広い視野を持って自分のポテンシャルを見出し、それを伸ばすことで、社会の変化に柔軟に対応できる人材を育成する

目標

①イノベーションを目指した教育・研究の推進

・研究分野を越えて融合することでイノベーションを生み出す教育・研究を推進する。

②時代のニーズに即した教育・研究の推進

・持続可能な社会の実現に向けた教育・研究を推進する。

・ポストAI時代を見据えた教育・研究を推進する。

③変化の激しいポストAI時代での対応力を磨く、理文融合のリベラルアーツ教育の展開

・本質を深く理解するための教養教育を行い、公共の福祉の観点から専門性を活かせる人材を育成する。

・「挑戦と失敗から学ぶ」姿勢に代表されるレジリエンス(心のしなやかさ)を涵養する。

④学問分野の枠を越えた知識・技能を身につけた人材の育成

・学生が自分の夢を実現する上で必要な知識・技能を、専門分野の枠を越えて身につけられる教育を実施する。

⑤学生と社会の接点を強化した、社会のニーズに応える教育の実践

・社会の期待に応える人材の輩出のため、学生と社会のタッチポイントを強化して、それを教育につなげる。

・社会に求められる課題発見・問題解決を、身につけた知識・技能を活用して行う力を養う。

⑥教学マネジメントの推進による、学生が成長を実感できる教育の強化

・学びの実質化を通じて学生が成長を実感できる教育を実践するとともに、それを絶えず改善するサイクルをつくる。

・これまでの教育改革とその振り返りを踏まえて、さらなる改革により学修者中心の教育を徹底する。

⑦キャリア形成に活かせる実践的なグローバル教育の体系化

・言語や文化の壁を超えて意思疎通できる人材を育成する。

・デジタル化によりコミュニケーションのあり方が変革する社会にも対応できる力を養う。

3-2 地域連携と社会貢献

地域コミュニティの中核となり、地域社会の活性化に貢献する

目標

①将来を担う人材の成長のサポート

・小中学生の学びの支援、高大連携など、地域の教育のシームレス化を積極的に推進する。

②地域課題の解決に向けた自治体・企業との共創活動の推進

・自治体および企業との密な連携による共創活動を充実させ、地域課題や企業独自の課題の解決に貢献する。

③地域の知の拠点として、地域のニーズに対応するリカレント・リスキリング教育の展開

・地域社会の活性化に向けた社会人の学び直しをサポートするため、社会の変化や地域のニーズに合ったリカレント・リスキリング教育を実施する。

3-3 大学の組織と環境

未来の発展に向け、大学運営基盤を強化する

目標

①社会変革に対応した教育・研究体制の迅速な適応

・社会から求められる学部学科体制に迅速柔軟に進化する。

・進化に対応できる支援体制を整え、その進化を学内外に広く情報発信する。

②教育・研究の高度化と技術の進化を踏まえた環境・インフラの改善・充実

・デジタル技術の活用によりヒトとモノをつなぎ、利便性と効率性の向上を目指す。

・安全とリスク管理を徹底し、快適な施設・設備の充実を目指す。

③活力にあふれるキャンパスの持続的発展を実現できる組織運営体制の強化

・学生の声を把握してキャンパスライフの改善に反映し、学生の満足度向上を目指す。

・教職員一人ひとりが知見を蓄積し、自らも成長できる環境を作る。

・情報共有やDXの活用を深め、迅速な意志決定、スリムで効率的な組織運営を実現する。

・たゆまぬ価値創造の追求により、ステークホルダーの信頼と共感を築いていく。

④将来の成長に向けた戦略的財政基盤の確立

・中長期ビジョンを実現するための財務戦略を構築する。

・成長の原資となる収入機会の拡大とコストの適正化を目指す。

・優先順位を踏まえた選択と集中により、財政規律に則った将来投資を実行する。

4 中期・長期計画の期間

3期中長期計画は2023年度から2028年度までの6年間の計画としている。ただし、5~10年後に本学の教育を受けた学生が社会で活躍する、10年~20年後の将来を見据えた計画を立てる。

<期間>
第1期:2013年4月1日から2018年3月31日
第2期:2018年4月1日から2023年3月31日
第3期:2023年4月1日から2029年3月31日

5 第3期中長期計画の実施について

今後、この中長期計画は本学のさらなる発展のために下記の要領で利用する。

1)本中長期計画を教職員のビジョンや意識を共有するために役立てる。そのために、学内で本計画の共有および説明会を実施する。

2)本中長期計画をもとに関係者と協議し、実施計画を含む具体的なアクションプランを作成し、ビジョンの実現を目指す。

3)本中長期計画およびアクションプランの遂行状況を年次で確認し、必要に応じて本計画やアクションプランの更新を行う。

4)本中長期計画の最終年度2028年度には、計画の遂行状況を総括し、次の中長期計画につなげる。

5)本中長期計画をステークホルダーに広く周知するために、本計画を学外に公開する。

6 おわりに

AIが社会インフラとして一般化した後、専門家の役割は大きく変化すると予想される。これからの6年間、そのための教育研究の基盤を構築することが公共の福祉に貢献し、何より本学を卒業する若者たちの幸せにつながると信じている。

崇城大学中長期計画【第3期】