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市原教授の研究グループによる論文が推薦論文に選出

2026年04月07日

本学市原英明教授(生物生命学部生物生命学科)、後藤浩一教授(同学科)、奥村真樹助教(同学科)による研究グループが発表した論文「インドシアニングリーン含有ハイブリッドリポソームを用いた光線力学療法によるトリプルネガティブ乳がんマウスモデルでの治療効果の増強」が、日本薬学会の英文誌「Biological and Pharmaceutical Bulletin」において推薦論文(Featured articles)に選出されました。

推薦論文は、編集委員会が一般投稿論文の中から、独創性、科学的貢献度、研究手法、論文構成、表現などを基準に、特に優れた論文を選定し、ウェブサイト上で紹介するものです。

【要約】
抗がん剤を入れていない「ハイブリッドリポソーム」だけでも、がんの増殖を抑える効果があることが分かっていました。そこで本研究では、ハイブリッドリポソームに光に反応する物質(光感受性物質)を加え、腫瘍に集まりやすくしたうえで光を当てて発生する活性酸素を利用した治療を行いました。その結果、ハイブリッドリポソソーム単独の場合よりも、腫瘍が大きくなるのをより強く抑えられることが示されました。

【雑誌編集者の推薦文(Editor's pick)】
「トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、ホルモン受容体および HER2 の発現を欠くため、分子標的治療の選択肢が限られており、化学療法が標準治療として位置づけられているものの予後は不良である。著者らは、インドシアニングリーン(ICG)を内包したハイブリッドリポソーム(HL/ICG)が、TNBC の腫瘍担持マウスモデルにおいて腫瘍選択的な光線力学療法(PDT)を可能にすることを示した。HL/ICG は腫瘍に集積し、近赤外線照射後に酸化ストレスとアポトーシスを誘導して、対照群と比較して腫瘍体積および腫瘍重量を減少させた。さらに HL/ICG を用いた PDT は、ハイブリッドリポソーム単独療法よりも治療効果を一層増強した。この低侵襲なプラットフォームである HL/ICG-PDT は、光活性化による細胞傷害性と、もともと備わった腫瘍選択性とを組み合わせるものであり、トランスレーショナル研究(臨床応用に向けた検討)に値する。」

研究室に所属する大学院生の髙井さん(工学研究科 応用微生物工学専攻 博士後期課程2年・福岡県 東筑紫学園高校出身)も共著者として貢献しました。

本研究は、ハイブリッドリポソームを用いた「副作用の低減を目指したがん治療」への応用を目指して、現在も精力的に進められています。

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掲載ページはこちら https://www.jstage.jst.go.jp/article/bpb/49/2/49_b25-00745/_article/-char/en

【論文情報】
・タイトル
(和文)インドシアニングリーン含有ハイブリッドリポソームを用いた光線力学療法によるトリプルネガティブ乳がんマウスモデルでの治療効果の増強
(英文)Enhanced Therapeutic Efficacy of Photodynamic Therapy Using Hybrid Liposomes Containing Indocyanine Green in a Triple-Negative Breast Cancer Mouse Model

・著者
Masaki Okumura, Hinano Otsuka, Junna Takai, Koichi Goto, Yoko Matsumoto, Hideaki Ichihara

・雑誌
Biological and Pharmaceutical Bulletin, 49(2), 310-315 (2026).

・「Biological and Pharmaceutical Bulletin」について
1880年に設立された日本薬学会が発行する月刊の科学雑誌の一つで、薬学および健康科学分野における多様な生物学的トピックを扱う専門誌です。1978年に前身誌「Journal of Pharmacobio-Dynamics」として創刊されました。

 【生物生命学部 生物生命学科 ナノマテリアル創薬研究室
後藤 浩一教授、市原 英明教授、奥村 真樹助教

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