【講演レポート】教養講座「神田陽子氏」講演要旨
2016年10月25日
2016年10月7日 講談師・崇城大学客員教授 神田陽子氏講演要旨 ◎講談と遊ぶ・学ぶ(まねぶ) 普段は寄席に出ています。寄席のスタイルが金屏風と緋毛氈(ひもうせん)です。前に釈台を置く。昔はここに本を乗せていた。軍談(いくさばなし)を大名・旗本の前で読んで聞かせたのが始まり。講談にも(NHK大河ドラマと同じ)「真田丸」というのがある。 声を出す「発声」が大事だ。昔はマイクがなかったので、地声しかない。肉声で「お家騒動だよ」とか「赤穂の殿様が大変なことになったよ」とか、ニュースを伝えた。町の辻々で行っていたので、辻講釈とも言われる。落語は「落ち」があるのに対し、「落ち」がないのが講談。声で気を付けることは、声の高低、緩急、たたみ込み、それに歌い調子がある。
毎年、小中学校を訪れて、文化庁の育成事業をやっている。「悩みを張り扇(はりせん)で叩き出せ」というお題で、悩みを出してもらったら「僕は、いじめてました。でもこれからはやりません」と言ってくれた子がいた。「勇気をもって言ってくれてありがとう」と言ってあげた。NHKテレビの「ようこそ先輩」という番組で、母校の東京・中野の小学校を訪れた時のことだ。
言葉というのは「言魂」です。メールで伝わらないことも、肉声で心を込めて伝えると伝わる。相手の目をきちんと見て、肉声で伝えてみてください。声も成長します。声の高低に気を付けて、自分の声を鍛えてください。自分の声を信じて、どんどん自分の声を出してコミュニケーション力を上げてください。
(学生が順次、高座に上がり「徂来豆腐」「中江藤樹の母」「真田幸村大阪出陣」を実演)
(文責・井芹)
平成28年度後期 崇城大学教養講座 日程表 |
9.23 |
山川 烈 (崇城大学副学長) |
グローカル時代を悔いなく生きるために |
9.30 |
川﨑 博 (ホテル日航熊本社長) |
二つの仕事を体験して思うこと |
10.7 |
神田 陽子 (講談師・崇城大学各員教授) |
講談と遊ぶ・学ぶ(まねぶ) |
10.14 |
上村 春樹 (講道館長) |
指導者の役割 |
10.21 |
山下 泰雄 (通潤酒造(株)社長) |
KPPと一緒にブルーオーシャンへ~造酒屋の冒険~ |
10.28 |
姜尚中 (政治学者・熊本県立劇場館長) |
大学で学ぶべきこと |
11.2 |
阿部 富士子 (造形作家・扇研究家) |
知られざる「扇」の世界 |
11.11 |
ナヌーク (グリーンランド音楽グループ) |
氷と雪に閉ざされた極北の大地グリーンランド |
11.18 |
佐藤 允彦 (ピアニスト・作曲家) |
コミュニケーション・ツールとしての音楽 |
11.25 |
辺 真一 (コリア・レポート編集長) |
東アジア情勢をどう考えるか |
12.2 |
バイマー ヤンジン (チベット声楽家) |
私の見たチベットと日本 |
12.9 |
飯田 敏博 (鹿児島国際大学副学長) |
カフェ・シーンから学ぶ映画と文学 |
12.16 |
米澤 房朝 ((株)ヨネザワ代表取締役社長) |
夢は必ず実現する |
(敬称略)