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  1. 【講演レポート】教養講座「山川 烈氏」講演要旨

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【講演レポート】教養講座「山川 烈氏」講演要旨

2015年10月07日

2015年9月18,25日 崇城大学副学長 山川烈氏講演要旨

◎グローカル時代を悔いなく生きるために

本学で勉強し、研究していく上で、心がけてほしいことを話す。グローカルとは、グローバルとローカルを融合させた言葉で、物事を世界的視野で考えると同時に、地域性も持つということである。要は,それらのバランスが大事だ。地域性だけでは「井の中の蛙、大海を知らず」になってしまう。世界的視野だけでは自分の本来の姿を見失う。両方のバランスをとったエンジニア、サイエンティストになってもらいたい。

外国に行くと、日本の文化や武道が日本以上に普及していることに気付く。日本人の無くしかけているものが、外国で育っている。自分の原点を見失って、外にばかり目を向けている日本人。世界的な技術の専門家であり、かつ日本人としての誇りを持つことが大事だ。孫子の兵法に「敵を知り、己を知らば、百戦殆(あや)うからず」とある。世界的視野と地域性をそれぞれ大所と局所に置き換えると、また別のグローカル思想になる。局所が一つの専門分野だとすれば、大所とは全専門分野だ。一つの分野だけでなく、他の分野も修めると強い。この分野しかできないというのではいけない。ある分野をやるとき、表面だけやっても意味がない。どれも深くやる必要がある。高い山には広いすそ野があるように、いろんな分野を広くやると、高い山の上からいろんなことを俯瞰できる。広い知識を持っていると、異なる分野のいろんなことがアナロジーで理解できる。したがって、できるだけ多くのことに興味を持ってほしい。

学問が進んでくると、それを4年間だけで修めるのは難しい。プロとして活躍できるようになるには、4年間では足りない。理工系学部の国立大学の大学院進学率は70~80%、私立大でも60~80%。崇城大では5~10%。プロとして自信を持って活動するには、大学院で専門性を高めることが必要。学部卒で就職するのではなく、大学院進学も考えてみてほしい。

カナダの心理学者アルバート・バンデューラが唱えた自己効力感(self-efficacy)という考えがある。そのことが、やがて自信や自尊心を形成するというのだ。そのためには,ある課題を自分の力で効果的に解決できるという信念を持つこと。自分の課題を発見し,それにチャレンジする精神が大事だ。そして「成功」をイメージする。無心になって努力する。そうやって「成功体験」をして、行動達成すれば「ヤッター」となり、自信がつく。次もうまくいくという自信につながる。

将来の職業選択を悔いなく実現するためには、マッチング・チャンスを増やす必要がある。得たい仕事、やりたい仕事を見つけるマッチング・チャンスは、これまで4年生のとき1回だけだったが、来年度からは、企業との技術交流やディスカッションの形で、毎年実施することを計画している。したがって、4年間で4回のマッチング・チャンスがあることになる。これらのチャンスを利用して、最も自分に適した職業に巡り合ってほしいし、そのための大学院進学の重要性にも気付いてほしい。

(この後、箏と尺八のミニ邦楽レクチャーと素晴らしいコンサートがあった)

(文責・井芹)
 
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平成27年度前期 崇城大学教養講座 日程表
4.24 神田 陽子  (講談師・崇城大学客員教授) 日本の話芸~講談「真田幸村 大阪入城」~
5.1 太田 章 (五輪銀メダリスト) オリンピックにかける夢
5.8 橋本 五郎  (読売新聞東京本社特別編集員) 政治は本当は面白い
5.15 三遊亭 歌之介  (落語家) 出会いから学んだこと
5.22 澤岡 昭  (大同大学学長) 国際宇宙ステーションと活躍する日本人飛行士
5.29 村嶋 恒徳 (剣道七段・茗溪学園教諭) 一剣士が伝えたいこと~剣の技と絵の心~
6.5 内田 亮子   (早稲田大学教授) 暴走するヒト~からだ・心・言葉の進化を考える~
6.12 松元 崇 (元内閣府事務次官 第一生命経済研究所特別顧問) 日本経済再生の方程式
6.19 大桃 美代子  (タレント) 才能は地方で輝く!!~一次産業を生かすアイデア~
6.26 石川 智久  (大阪医科大学客員教授) 遺伝子研究の最前線
7.3 宇都宮 健児 (前日本弁護士連合会会長) 私の弁護士人生
7.10 植松 努  (植松電機専務取締役) 「思うは招く」~夢があればなんでもできる~

(敬称略)