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  1. 宮坂教授が共同研究論文をThe ISME Journal誌に発表

プレスリリース

宮坂教授が共同研究論文をThe ISME Journal誌に発表

2016年05月23日

報 道 関 係 各 位

新たな仮説「The ISME Journal誌」に発表
藻類・植物が進化の過程で失った性質

このたび、崇城大学 生物生命学部 応用生命科学科の宮坂均教授、緒方猛さん(大学院生)、山本進二郎准教授、林修平助教のグループは、関西電力(株)、中外テクノス(株)、高知工科大学(大濱武教授)、千葉大学大学院園芸研究科(高橋広夫准教授)、大阪大学大学院薬学研究科(平田收正教授・松浦秀幸助教)との共同研究の成果として、「Is chloroplastic class IIA aldolase a marine enzyme? (葉緑体のクラスIIAアルドラーゼは海の酵素か?)」と題する論文を、世界でも権威あるNature Publishing Groupから出版される微生物生態学分野の雑誌「The ISME Journal」に発表しました。

葉緑体のアルドラーゼという酵素は、光合成により炭酸ガス(CO2)固定を行う酵素の一つで、光合成の効率を左右する重要な酵素です。光合成は、陸上では主に植物が主役ですが、海洋では二次共生藻と呼ばれる一群の藻類(ケイ藻、クリプト藻、ハプト藻、渦鞭毛藻、等)が主役となって陸上植物の固定量に匹敵する炭酸ガス固定を行っています。アルドラーゼには色々な種類があり、葉緑体に「クラスIIAアルドラーゼ」というアルドラーゼを持っているのが、これら二次共生藻の特徴です。
今回提唱した新たな仮説は、環境適応の視点から、「葉緑体クラスIIAアルドラーゼは海の環境に適応した酵素である」とし、論文ではそれを遺伝子発現のレベルで検証しました。この仮説は、この酵素を持つ二次共生藻が海で繁栄し、持たない(おそらく進化の過程で失った)植物が陸上で繁栄している事実と合致します。生命は初め海で生まれてさまざまな進化の過程を経て陸に上がりました。(植物の祖先となる藻類が陸に上がったのは、約4.5億年前と考えられています。)陸に上がって陸上環境に適応するために、生物はさまざまな性質を新たに獲得し、また逆に失った性質もあると予想されます。今回の論文は生物が陸上環境へ適応することで失った性質の典型的な例を提示したものと言えます。また、この酵素の海洋バイオテクノロジーにおける応用(海洋光合成生物によるCO2固定の促進)についても、今後共同研究企業と協力して進めて行く予定です。

今回、崇城大学は熊本地震で被災しましたが、これからも高い研究レベルを保ち、地域社会と産業に貢献して参ります。

◆電子ジャーナル(研究発表ページ)◆

http://www.nature.com/ismej/journal/

詳しいお問い合わせ先

崇城大学 生物生命学部 応用生命科学科
教授 宮坂 均
TEL:096-326-3830 (直通)
FAX:096-323-1331
MAIL:miyasaka@life.sojo-u.ac.jp