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  1. 【講演レポート】教養講座「米澤房朝氏」講演要旨

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【講演レポート】教養講座「米澤房朝氏」講演要旨

2017年02月02日

2016年12月16日 (株)ヨネザワ 代表取締役社長 米澤房朝氏講演要旨

◎夢は必ず実現する

私は昭和19年2月1日、菊池郡合志村に生まれた。戦争中である。生まれてすぐ小児マヒに罹った。まともな治療もできない時代、母の必死の看病で命だけは助かったが左足にマヒが残り、小学校に入るまでは歩くのも不自由であった。小学2年の時に父親が病死、母と私たち4人兄弟の母子家庭となった。現在のような福祉の充実はなく、毎日の食事にも困る貧乏な生活に陥ってしまった。母は「働けば何とかなる」が口癖。長い髪を短く切って男のような格好をして、日雇いの仕事を始めた。姉たちも中学生になると勉強しながら働き始めた。私の子供の頃の夢は、「友達と同じような人並みの生活がしたい」。貧困家族にとって、人並みは憧れであった。

現在、社会全体に物が溢れ、物質的な豊かさの中にいると、子供の頃の貧しさをつい忘れてしまう。しかし、今日の私を支えているのも、会社を創造してきたエネルギーも、子供の頃に培ったハングリー精神である。働かざる者食うべからず、働け働けと母から躾けられ、「今は苦しいが、働いていればいつかはきっと幸福になれる」という母の言葉を信じて今日に至る。73歳の現在、自分の人生を振り返ってみれば、真にその通りである。
このごろは過労死や残業問題などが話題になり、働くことの概念が変わるのではないかと心配している。働くとは、傍の人を楽にすること、人のお役に立つこと、働くことは素晴らしいことであると信じている。夢は働いて叶えることができる。私のような境遇にあっても、コツコツ働いていると潜在能力が顕在化してくる。誰にでも計り知れない潜在能力がある。

~夢は必ず実現する~

雲をつかむような夢がはたして現実となるのか、夢まぼろしとなるのか・・・・・。実現の確約など何もないのに、夢は生きがいとなる。明日の命さえも確約はないのに、人は皆生きていることを信じて、夢を叶えたいと夢見る。
すべからく成功の出発点は夢である。夢は胸に秘めているだけでは現実に近づかない。夢は人に語ることによって人から人へ、ある時は褒められ、ある時は叱られ、人に導かれて正しく整えられていく。
夢を文字にすることによって、論理的、客観的、法則性、整合性ができてくる。夢は一人では達成できない。夢を絵に描くことによって、多くの人の感性に訴え、協力者を募る。夢を語り、文字にし、絵にする過程において、夢は少しずつ形を整え、そのうち共感者が現われ、同志としての絆が育まれていき同志が集い、旗印となり、モチベーションが高められる。

その頃から、ふわふわとした雲のような夢に具体的な数字が入り、次第に結晶化され、結晶化された夢は同志共通の目標となる。これが、夢から現実に変わる瞬間である。夢は目標となり、目標達成のための戦略が練られ、戦略を遂行するための組織ができる。
その組織に人が位置づき、戦術行動をともにする。人は価値ある目標を持つことで苦難を克服し、段階的に目標に近づいていることを自覚し、働きがいを見出す。夢を働きがいに導くシステムこそが、成功の要である。苦難をやりがいと感じる人と、苦難を嫌なことと受け止める人では、人生において雲泥の差ができて当然である。

本日、皆さまの前でお話をさせていただく機会をおつくり頂いた関係者の方々に感謝しつつ、最後に大切にしている心構えを2つ紹介させてください。
1つ、「先輩を大切にする」。年長者の方、職場の先輩、経験の長い方、学校の先輩、私たちはいろいろな意味で先輩に囲まれ、後ろ姿から学んできた先輩を大切にする心構え。
2つ、「挨拶は相手より先にする」。そして返礼は期待しない。もし返礼があったら、私のために心を開いてくれてありがとう、という気持ちで接しています。
社会は1人では成立しません。人と人、人間関係を大切にしてこそ夢は現実になると思います。

(文責・井芹)

米澤房朝氏.jpg

平成28年度後期 崇城大学教養講座 日程表
9.23 山川 烈 (崇城大学副学長) グローカル時代を悔いなく生きるために
9.30 川﨑 博 (ホテル日航熊本社長) 二つの仕事を体験して思うこと
10.7 神田 陽子 (講談師・崇城大学各員教授) 講談と遊ぶ・学ぶ(まねぶ)
10.14 上村 春樹 (講道館長) 指導者の役割
10.21 山下 泰雄 (通潤酒造(株)社長) KPPと一緒にブルーオーシャンへ~造酒屋の冒険~
10.28 姜尚中 (政治学者・熊本県立劇場館長) 大学で学ぶべきこと
11.2 阿部 富士子 (造形作家・扇研究家) 知られざる「扇」の世界
11.11 ナヌーク (グリーンランド音楽グループ) 氷と雪に閉ざされた極北の大地グリーンランド
11.18 佐藤 允彦 (ピアニスト・作曲家) コミュニケーション・ツールとしての音楽
11.25 辺 真一 (コリア・レポート編集長) 東アジア情勢をどう考えるか
12.2 バイマー ヤンジン (チベット声楽家) 私の見たチベットと日本
12.9 飯田 敏博 (鹿児島国際大学副学長) カフェ・シーンから学ぶ映画と文学
12.16 米澤 房朝 ((株)ヨネザワ代表取締役社長) 夢は必ず実現する

(敬称略)